絵画のある暮らしは、それまでとどのように変わるのでしょうか。
絵は、描いても素晴らしいですが、飾ることで様々な面で幸福度を増すきっかけともなってくれます。
わたしにとっての絵画のある暮らし
絵画のある暮らしで生活は変わるか?と聞かれれば、人の意見に流されるのでなく、自分の感覚で選んだ絵画ならほぼ間違いなく「変わる」と言えます。そこにはいろいろな理由があります。
癒し
絵画を買う方には、いろいろな目的で買う人がいます。趣味、社会貢献、資産価値、様々にありますが、一般的に言えば、「自分のため」に買う人が最も多いと思います。
自分の感覚で購入した絵画のある暮らしは、今までの暮らしと状況を一変させてくれます。
絵画は、いろいろなタイプの作品がありますが、絵画を買うきっかけは、「気に入ったから」、であれば、その絵に対する自分の気持ちが、心の癒しにつながっていることが良くあります。
どんなタイプの絵であれ、気に入った絵画のある暮らしは、絵のある空間で、必要に応じて絵に意識が向かいます。そのことで、ふと、絵の世界を自分の感覚に取り込みます。「気に入った」理由が、何となくでも、心惹かれたことによる、その時の気持ちが沸き上がってきます。通常とは違う、特別な感覚がもたらされます。
購入した絵が、癒しに向かう意味合いを持つ絵なら、その感覚が絵に焦点が合ったときに蘇ってきます。絵画のある暮らしは、絵と出逢ったときの感覚を蘇らせてくれます。絵を飾ることで、その絵のすばらしさを必要に応じて味わえることになります。
「この絵を観ながらお酒を飲んだらおいしいだろうなあ」そう言って、購入してくださった心療内科の先生がいました。絵画のある暮らしが、癒しの時間をより満ちたものに変えてくれることもできます。
自己啓発
絵のある暮らしが、自己啓発?と思うかもしれません。
描いた画家には、いろいろな方がいますが、中には、独自の世界観をあらわす方がいます。その画家の考え方、表現の在り方が一般には考えつかないものがあることがあります。アートがビジネス界で取り上げられる理由の一つには、表現者の独特な感性が通常のそれとは違う、新たな時代を鋭敏に感じ取って表現されている可能性があるからだと言います。
物事の視点を独自の発想、転換で捉えることで、全く新たなものを生み出していく力があります。そんな画家の作品であれば、絵画のある暮らしとすれば、自身のモノの見方にも刺激を与えてくれることでしょう。
波動
全てのものには波動があるという考え方があります。風水などに言われる、物の配置や色などは、環境に応じて、生活空間や場所などの波動を調えることで運気を上げるという考え方で、遠い昔から活用されています。現在でも、海外のトップ企業と言われる企業では、風水を駆使した、会社づくりを積極的に行っています。Googleもその一つです。
絵にも波動があります。色、形、様々に表現されています。そして、現された絵画には、喜びや、悲しみ、怒り、葛藤、美、様々に表現された波動と言えるものが現わされています。
絵のある暮らしとして、適切な場所に、適切な波動を持つ絵画を飾ることで、空間の波動は、より良きものになっていきます。
波動を気にしすぎることは、おススメできませんが、どのような絵を選び、絵画のある暮らしとするかで、環境は変化する可能性を持ちます。
わたしがどのような絵を飾り、絵画のある暮らしとするかであれば、喜びや愛、エネルギーが高まったりする、日々を過ごしやすくしてくる絵を選びます。状況によって、場所によっていくつも飾ることで、生活空間のエネルギーを高める方向で絵画のある暮らしとしています。個人的には、荒々しい感情を揺さぶるような絵画を日常生活の空間に置くことは、お勧めしません。
家族にとっての絵画のある暮らし
身近なことで、絵画のある暮らしは、ない暮らしとどのような違いがあるでしょう。日本では、絵画を飾る風習はあまりありませんが、海外では当たり前のようにたくさんの絵画を生活に取り入れています。
生活空間が狭いことは理由にはなりません。絵画のある暮らしが、日常を豊かなものへと変えてくれることを知っているからこそだと思います。独立心の強い人は、自らの手で自らの環境を整えようとします。海外では、リフォームを自らの手で行う姿をよく目にします。豊かに流れる時間をより一層豊かにするために、絵画のある暮らしは、おススメできる一つの手段です。
絵画を飾ってある空間で過ごしたことがある方は、実感としてあると思いますが、絵画があることで、空間は明らかに変化します。洗練された空間を望むのであれば、それに即した作品、スタイリッシュにしたいのであれば、それに即した作品。自分の好みの空間をより一層アップグレードしてくれることでしょう。
絵画のある暮らしは、家族の会話、コミュニケーションに一役買ってくれます。生活空間に自分の望む環境をコーディネイトすることで、その質は一層豊かなものになるでしょう。
情操教育
子どもにとって、情操教育は必要だとよく言われます。創造の産物である絵画は、子供にとって感性を刺激してくれる、豊かな愛を感じられる作品をお薦めします。怒りや悲しみを感じさせる絵画は、その感情に子供が常に接することにもなるので、避けたいところです。
美的センスを育むには、美しいものに接する機会を増やしてあげることが大切です。美しいという感覚は、人にとってとっても大切な感性です。美しいものを知ることは、人格形成にも重要な意味を持ちます。
絵画のある暮らしは、子供にとって大きな刺激となり、豊かな心を育むきっかけとなります。「この絵はどうやって描かれたのか」、「何を感じて描かれたのか」。「なぜ?」、「どうして?」感じることで、興味は広がっていきます。絵画のある暮らしは、見て感じる心を育むには、とてもいい機会に成り得ます。
創造することのすばらしさを知る、音楽を聴いたり、演奏したり、絵を観たり、描くことで豊かな感性は、育まれていきます。
社会にとっての絵画のある暮らし
会社
ビジネス界でのアートの存在は、益々その地位を重要なものとされてきています。ビジネスパーソンを対象としたアートに関した書籍は、書店の本棚でよく目にするようになりました。
アーティストには、問題提起し、それを自問しながら、解決するために新たな視点をもって、ネガティブな問題さえもポジティブなこととして表現する力を持ちます。
アーティストは、自分の思考と感性、努力を駆使しながら、新たなものを作り上げる力を持ちます。想像力は、企業としての推進力となります。その想像力を実行に移すには、様々な努力、根気が必要となります。アーティストは、そのことを独力で成し遂げようとします。この力は、企業にとっての魅力となります。
わたし自身、かつてアーティストの感性を見出され、会社役員に招聘された経験を持ちます。社内では、人材育成・研修プログラム開発・講師、製品開発、企業コンサルティングなど多岐にわたって仕事を受け持っていました。
想像力は、人にとってとても大切な力です。この後どうなるか?これを行ったらどうなるか?想像する力が確かにあれば、今より、より良い方向で変えていこうとすることは、たくさん出てきます。
環境の向上
絵画のある暮らしが、環境を向上させるのは、家庭ばかりではありません。公共の場においても。絵画があることで様々な影響を与えてくれる可能性があります。
テレビで拝見したのですが、新規オープンした、ビルにも大きなアートがいくつか展示されていました。今のアートの潮流を良く知らないわたしでも、その方向のアートだなという印象を受けることができました。購入、展示をしたオーナー(?)の意向が現れているものと感じられ、その意向は汲み取れたのですが、別の面も感じ取れました。
あくまで私の印象ですが、、、
文化の先端を意識しての作品展示だと思うのですが、その作品自体から感じられる印象が、人の感情の澱みや葛藤、苦しみを象徴させるようなマイナスエネルギーを感じ取りました。
観る人にもよるのでしょうが、マイナスのエネルギーをビルの玄関先に飾られれば、入る人は、わかる、わからないに関わらず、いったん躊躇するでしょう。目に留まると言えば、確かに止まることが多いかもしれません。
人のちょっとした感覚は、実は、とても重要なことを伝えてくれます。
その展示ホールからは、歓びの方向というより、優越感や力の象徴的な意味合いを感じさせてしまうものでした。
文化の先端を意識したとしても、そのエネルギーがどのような影響を及ぼすかは、十分注意が必要なことと思います。わたしとしては、かなり残念な気持ちになりました。
経営理念
絵画には、描いた画家の理念が反映されます。これは、アーティストに関わらず、全ての人に言えることと思っているのですが、表現された作品には、その影響が色濃く反映することになります。制作する側でなく、購入する側とすれば、その作品の描かれた内容、コンセプトに会社の理念を同化することも可能です。
例えばですが、先日テレビ拝見した、一筆龍、という龍を描いた作品は、金運や財運に依頼する方が多くいらっしゃるようなのですが、強い力や金運という豊かさを象徴とした意味合いで表現された一筆龍があることでその縁にあやかりたく、表現者としての理念、運気向上を理念とした龍を購入者が自分の意図に同化して、手元に置くという行為に至っているのだとあらためて思いました。
言葉ではなく、絵画として会社生活の中に絵がある暮らしとして導入されれば、その会社で過ごす方は、その理念を言葉でなく、視覚から吸収することになります。その視覚に入ってくる情報(絵)が、その人の好みであれば、より深い意味での共振を起こしていきます。
理念をカタチにする、明確にこのことを意図して作成を行える人はまだまだ少ないとは思いますが、この作成方法でHIDEKIとして15年ほど前、会社の役員として活動していた時期にロゴマークと絵画で応用し、企業コンサルティング、カウンセリングで頻繁に活用していた時期があります。この時は、理念をカタチにするという事は、一般の企業にはなかなか受け入れていただけませんでしたが、文化を先導、または将来先導していくであろうグローバルな視点を持つ企業には、歓んで迎え入れられていました。
医療
医療関係で絵を飾るということは、今後もますます多くなっていくことと思います。
最も有効とされる意味合いで言えば、絵を観ることで、見る人の心の癒しにつながるという、事実です。
NHKでアートの力で医療や介護を変えていこうとする取り組みを紹介していました。アートの力で、鎮痛剤を減少させたり、入院日数を減少させたり、医療にかかる費用の削減に貢献するという取り組みです。その効果は、少しずつ積み上げられています。絵画のある暮らしは、ストレスを軽減させる効果があり、様々な恩恵を生み出しています。
海外では、積極的にアートを医療の現場で取り入れ、その可能性をさらに模索しているという事実があります。
心が病気をつくることがあります。「病は気から」という言葉もあります。心を癒し、回復させるには、心に訴えかける何かが必要です。アートは、その力を持っています。アメリカでは、病院で「アートカート」なるものを導入して、入院患者さんに絵を選んでもらい病室に飾り、癒しに活用するということをずいぶん前に知りました。
今後、増々高齢化社会となっていく日本にとって、絵画のある暮らしが心の癒しとなり、医者にかかる機会が少なくなることで、豊かな人生となることを期待しています。
社会貢献
アートを通した社会貢献を行う方もよく目にします。
アートには、人の心を動かす力があるのも事実で、ある共通の目的に向かって流れを作ろうとするとき、アーティストが先頭となり、流れをけん引します。
純粋な心を作品とするアーティストには、他人を引き寄せる力があります。
その心を社会貢献に結びつけることで大きな流れが生まれていきます。
多くの方に共感を与えることがあります。形は様々にあります。
わたし自身も民間ボランティアを無理をしない形で長年にわたって行っています。
まとめ
今まで挙げてきたように、個人から、社会まで、様々なシーンで絵画のある暮らしを考えることができます。絵画があることで広がるエネルギー、その活用方法は、まだまだ広がっていくことと思います。
表現できるから、人としての歓びは広がっていくことができます。すべての人は、表現することを止めるべきではありません。言葉、身振り、創作、全ての表現は、人にとっての重要な行為です。表現されたものが、身近にあることで、自分としての表現の発露に、道が開きやすくなるのも事実です。
そして、自らが表現することで、より、自分らしくあり続けることができます。主張は、顕示欲の現われと言えます。どのような表現が良いかは、人それぞれの立ち位置があるので何とも言えませんが、純粋な思いがある表現は、見る人の心に力強く同調します。
わたしとしては、自分の純粋な心に素直に同調できるアートを選んでみることをお薦めいたします。
アートのある暮らしが、大きな心の支えとなることを願っております。