【失敗しない】アクリル画の色が沈む原因は?下地材ジェッソの役割と塗り方を解説

ヒーリングアート『宇宙龍、虹の彼方』龍神様のアクリル画 アクリル画の描き方

「せっかく描いたのに、色が沈んで見える…」「絵の具がキャンバスに弾かれてうまくのらない…」

そんな経験はありませんか?実は、その原因は描き方ではなく、描く前の**「下地準備(地塗り)」**にあるかもしれません。

「わたしも昔、地塗りをサボって作品を台無しにしたことがあります……」

今回は、アクリル画のクオリティを劇的に変える**下地材「ジェッソ」**について、プロの視点から深掘りします。「失敗した!」と後悔する前に知っておきたい、正しい塗り方とキャンバス準備の真髄をお伝えします。

キャンバス地にジェッソを塗ることをベースで書いていますが、わたしは、パネル張りした紙に描くときも必ず下地作りは行います。


1. 「失敗した!」の背景:なぜジェッソを塗らないとダメなのか?

アクリル画を始めたばかりの頃は、「市販のキャンバスは最初から白いし、そのまま描いても大丈夫だろう」と思いがちです。しかし、地塗りを怠ると、以下のようなトラブルが発生しやすくなります。

  • 色の沈み込み: キャンバスの布目が絵の具の水分を吸いすぎてしまい、乾いた後に色がくすんで見える。
  • 絵の具の剥離: 表面の油分や汚れのせいで、数年後に絵の具がペリリと剥がれてしまう。
  • 筆の引っ掛かり: 布の凹凸が強すぎて、細かい描写がスムーズにできない。

これらはすべて、ジェッソによる「地塗り」で解決できる問題です。


2. ジェッソの役割:ただの「白い絵の具」ではない

ジェッソは、顔料(白など)とアクリルエマルジョン、そして**「体質顔料(石灰粉など)」**を混ぜたものです。この「体質顔料」が含まれているおかげで、以下の効果が得られます。

  1. 吸水性のコントロール: 絵の具が染み込みすぎるのを防ぎ、発色を鮮やかに保ちます。
  2. 定着力の向上: 表面に微細な凹凸(歯)を作り、絵の具をガッチリと掴みます。
  3. 隠蔽力: キャンバスの元々の色や質感をリセットし、まっさらな状態からスタートできます。

3. 実践!プロが教える「失敗しないジェッソの塗り方」

「ただ塗ればいい」というわけではありません。以下の手順を守るだけで、キャンバスの質が格段に上がります。

ステップ1:ジェッソの濃度調整

チューブやボトルから出したそのままのジェッソは、少し硬すぎることがあります。水で20%〜30%ほど薄め、ポタージュスープくらいの粘度にするのが、ムラなく塗るコツです。

メーカーによって少しづつ違いがあります。粒子の大きさによって、仕上がりの滑らかさや質感が異なります。好みのものを見つけましょう。最初は、標準の粒子のジェッソを使ってみましょう。

ステップ2:一度に厚塗りしない(重要!)

一度に厚く塗ると、乾燥後にひび割れたり、筆跡が強く残りすぎてしまいます。「薄く塗って乾かす」を2〜3回繰り返すのが正解です。

ステップ3:方向を変えて重ねる

1層目を「横方向」に塗ったら、しっかり乾かした後、2層目は「縦方向」に塗ります。こうすることで、キャンバスの布目が均一に埋まり、どこから描いてもストレスのない表面になります。

ステップ4:サンディング(やすりがけ)

中級者以上を目指すなら、層の合間に**紙やすり(400番程度)**で軽く表面を撫でてみてください。驚くほど滑らかになり、繊細な描き込みが可能になります。
微粒子のジェッソも使ってみる価値はあります。

以前、わたしは、ジェッソを塗ってから好みの状態になるまで紙やすりをかけていましたが、手間がかかりすぎるので、いつしかやらなくなり、粒子の大きさで使い分けるようになりました。


4. 種類と選び方:目的に合わせたチョイスを

ジェッソにはいくつか種類があります。自分の作風に合わせて選びましょう。

種類特徴おすすめの作風
標準(Sサイズなど)最も一般的で滑らか。どんな作品にも万能。
ハード(高濃度)盛り上げが可能。凸凹した質感を作りたい時。
カラージェッソ黒やグレー、クリアなど。重厚な雰囲気や、木目の質感を活かしたい時。

専門家のアドバイス:

「市販の地塗り済みキャンバス」であっても、その上から自分で一度ジェッソを塗ることを強くおすすめします。工場生産時の油分をリセットし、自分の筆のタッチに馴染む「自分専用のキャンバス」に育てるプロセスこそが、名作への第一歩です。


5. すでに描き始めて「失敗した!」と思った時の対処法

もし、地塗りをせずに描き始めてしまい、「色がのらない!」と焦っているなら、以下の方法を試してみてください。

  • マットメディウムを塗る: 描きかけの画面の上に透明なマットメディウムを薄く塗ることで、表面の定着力を無理やり作ることができます(ただし、発色の改善には限界があります)。
  • 諦めて一度リセットする: まだ描き始めなら、その上からジェッソを塗ってやり直すのも勇気ある決断です。アクリルは重ね塗りができるのが最大の利点ですから。

まとめ:準備を制する者がアクリル画を制す

「ジェッソを塗る時間があるなら、早く絵を描きたい」という気持ちはよくわかります。しかし、そのわずか30分の準備が、完成した時の達成感と、作品の寿命を左右します。

美しい発色、滑らかな筆運び、そして数十年先まで残る堅牢さ。これらを手に入れるために、ぜひ次の作品からは「丁寧な地塗り」を儀式として取り入れてみてください。


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