絵を買う人

絵を買う意味 考え方

絵を買う人ってどんな人が多いのでしょうか?

日本人で絵を買う人が少ないと言われますが、実際はどうなのでしょう。

そして、どんな絵が買われているでしょうか?

 

絵を買う人には、いろいろな人がいますが、大きく分けると

 

資産価値を考えて、投資目的。

生活水準の高さを自覚するためや自慢するため。

美術品コレクター。

絵が好き。

有名だから。

好きな画家がいる。

画家を応援したい。

心惹かれた。

インテリア、贈り物などプレゼントとして。

 

他にもあるのでしょうが、思いつくまま挙げてみました。

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絵画市場の変化

アートギャラリー風景写真

最近の絵画世界情勢とすると、中国の経済的な豊かさの影響で、アートに関する関心は、大きくなっていると感じています。韓国や台湾でもアートへの関心はとても高まっており、アートフェアが盛んに行われています。絵を買いたいという人は、思いはそれぞれではあるけど、増えているようです。ビジネスとして絵を買うという行為は、益々広がりを見せています。

アートフェアは、アートの発振にとても重要な位置を占めています。

アートフェアという言葉は、恥ずかしながらここ最近まで知りませんでした。知るきっかけは、あるギャラリーからアートフェアへのお誘いをいただいたからなのですが、そのことを機に調べてみると、アートフェアは、世界中のギャラリーが一同に集まり、作品の販売をするようです。買い手と売り手をじかに結びつける催しです。ギャラリーやコレクターにとっては、アートの世界動向を知る機会となり、国を越えてギャラリー同士の交流を深める機会ともなります。そして一般の方には、新作や新たな作家を見つけられる機会となります。現在世界各国で、アートフェアは乱立しているようで、その質は様々だそうです。日本ではまだ歴史は浅く、2005年に「アートフェア東京」が開催されて、2020年で15回目となるようです。最も有名で来場数も多いのは、「アート・バーゼル」1970年からスイス北西部の都市バーゼルで毎年開催されている世界最大規模のアートフェアです。

日本では、個人で参加できるアートフェアは、見当たりませんが、世界に目を移すと多くの国で規模の大小様々に可能です。「画家として生きる」ことを積極的に活動している方は、世界のアートフェアに参加することで、チャンスを手にしているとの話がよく聞かれます。日本のギャラリーの数は、文化の発展具合から言えば、大都市以外のギャラリーは非常に少ない状態です。絵を買うという人の数もまた、世界の国々と比べると少ないのが実情です。

日本人は、なぜ絵を買わないのか

海外では、絵を買って飾ることは、家具と同じようにあって当たり前の感覚がある人が多いと思います。アートが特別なものでなく、当たり前にある環境は、日本と違うところではないでしょうか。これは、幼いころからの教育の過程でのアートに対する接し方が原因していることもあるのではと思っています。

日本人が絵を買わないのは、生活空間の狭さを上げる方もいらっしゃると思いますが、海外だって大きな家に住む人ばかりでなくても、たくさんの絵を買って、壁に飾っている人は多くみられます。絵画に対する意識の違い、美意識に対する小さなころからの環境の違いは大きいでしょう。

絵のある部屋の写真

もう一つは、国民性があると思います。日本人は、和の精神が根強くあります。そのこと自体は素晴らしいことでもあるのですが、その反面「みんなが買うから」、「あの人が買うから」と、誰かが良いと声を上げたときに少しずつそのことに同期していく流れがあります。枠から外れたものに対しては、「出る杭は打たれる」如く、とびぬけたことに対しては、進んで同調しにくい風潮があります。自分の価値観を通すことを自ら認めようとしないところがあります。独自性は敬遠されがちです。

わたしが店舗デザインの仕事をしていた時、デザインにお金を出すものでないというクライアントさんをしばしば見かけました。施工込みの会社でしたので、工事費で利益を上げており、必然的にデザインにあまり関心のないクライアントさんは多かったのかもしれません。日本は、土木産業を軸に豊かになってきた経緯があるので、デザインに関しての理解、美意識に対する感覚は乏しいものでした。現在もその影響は根深くあるような気はします。

自分の感覚で選ぶ

好きな絵を買うということは、自分の感覚を信じることにもつながっています。ブランドであれば、周りからの折り紙付きで安心ですが、自分の感覚を信じて絵を買うことに躊躇する傾向はあると思います。

事実、絵を買うには、その絵に何を感じるかが一番の購入動機になると思います。絵に描かれた心を感じ取ることができなければ、絵を買うにまで至らないのは明らかです。

有名な経営者が、絵を買う、美術館を創るのは、アートに含まれている精神性を感じ取るからと言えます。もちろんいろいろな経営者がいるので、一概には言えませんが、経営者は、その時の時代の流れをしっかりと読みながら経営のかじを切っていきます。時代を感じ取り、流れを読む必要があり、その力があり、財力もあります。アートの価値を、秘められた精神性を理解できるからこそアートの収集を行い、社会に還元したいと考えるのではないかと思います。アートには、心を豊かにする奥深い精神性が畳み込まれていることがあります。

わたしの経験としても、描いている絵を観ていただいた経営者から、絵に表現されている感性を買われ、会社役員として招聘され活動していた時期があります。世界の流れを感じ取る経営者にとって、アーティストの感性と通じるものがあると実感しました。

変わりつつある絵に対する意識

意識の進化イメージ

絵を買う人に変化は起きているように感じます。今までのように、資産価値や投資目的、一部の富裕層の絵を買う人・絵にスポットが当たり、話題を呼ぶことは多いのですが、特別なことでなく、普通の事として絵を買う人は、特に若い世代の人に多くなってきています。

このことは、わたし自身が肌で感じていることなのですが、若い人の価値観が、自分で良いと思うものに対して、素直に行動できるようになってきていると感じられるのです。絵を気軽に買っていただけるようにジクレー作品を作ったのは、若い方たちに手軽に生活の中にアートを取り込んでもらいたいとの思いもあったのですが、その思いに応じるように、絵を買う若い方が多くなっています。

若い方の価値観の変化は、文明の発達によってどこにいても簡単に情報が手に入るようになり、世界の垣根が低くなり、人それぞれの考え方の違いが当たり前に、見て感じられることが、要因になっているのだと思います。広い世界での世界観は、自分を見つめるとても素晴らしい機会になります。

自分の価値観を大事にし、行動する勇気は、今の時代でも強い意志を求められますが、それを可能とする様々はいろいろな場面で見つけることができます。

アートは、制作者の精神性が大きく反映する表現方法の一つです。その作品に現れる精神性に、感動や啓発を受けるということが、どれだけ素晴らしいことかは、感性が磨かれてくれば、おのずと感じられてくることです。そこに対価としての行為、作品を買う、絵を買うということが行われることは、自然な反応だと思います。

絵は、人によってさまざまな価値を与えることができます。最初に挙げたように、絵を買う人の理由は、さまざまですが、日本では大きな変化を起こしているように思えます。

高額?絵の値段

絵の値段は、在って無いようなものですが、大きなマーケットに乗っている絵には、将来的に価格は上がり続ける傾向があります。その価格は、富裕層向けで、数百万から数億まで幅広くあります。これは、世界的な金融緩和の影響があるようで、世に出回るお金が多くなり、そのお金の向き先の一つがアートになっているとのことです。投資対象となるアートには、限りがあるから価格は上がり続けていきます。その上昇率は、年8~9%と試算するデータもあるようです。

そしてもう一つの流れである、新たな投資先としての今まで無名だった作品が見いだされていきます。その作品が後世に残るかどうかはわかりませんが、アート自体の価格を押し上げます。

とくにヨーロッパであれば、昔からアートは何世代も受け継がれていく資産価値としての役割があります。比較的持ち運びやすいアート作品は、代々継承していくには適した資産として扱われています。

一部に限っての絵を買う人の話ですね。

絵を買える?

人それぞれに絵を買う理由がありますが、その価格も様々です。

価格とは、人の価値観で変わります。

特に、実用的でないと言われるものなど関しては、価格に大きな開きが生まれます。

絵は必要?不要?

食べ物や水のように人の生活に不可欠なものと違って、絵は実用的でないと言われることも多いですが、生活することが衣食住にあまり困ることがなくなった時、人は、心に満足を求めるようになっていきます。娯楽施設が次々に発展していくのは、生活に最低限のものが手に入るようになったからこそです。

心を満たすには、様々なものがあると思いますが、絵を買うことで楽しむことは、その一つに成り得ます。絵を飾ることで、部屋の雰囲気は変わります。癒しをもたらすこともあれば、活力を与えることもあります。心に大きく作用する可能性を持ちます。

その時の価格は、いかほどになるのでしょうか?

絵を買う価格とすると様々にありますが、買われる価格帯で言えば、サラリーマン月収が目安となると言われます。つまり、20~30万円。これは、欧州でも一般的だと聞いたことがあります。この価格帯が、絵を買う価格としては、庶民的なのだそうです。

ブランド品は、お金がなくても頑張って買う人はいますが、そのブランド品でもこの価格は、よく売れる価格帯でもあるそうで、その美しさと質に見合うとされる価格帯となっています。心の豊かさ・満足を得る金額としては、わかる気がします。安すぎてもダメで、少し無理をして買うことのできる額、満足心をくすぐるようです。

心の滋養に不可欠なアートとしての位置づけができ、作品と良い出逢いができれば、出してもよいと思える価格となるでしょう。絵を買う人の心を揺さぶります。

価値観の変化

少しずつではありますが、物質中心の文化から心が中心の文化への変化は確実に起きていて、その変化はますます加速していくことと思われます。

絵を買うことは、ビジネスとしての位置付で語られることが多いですが、絵という、感覚に訴えかけるモノは、買い手の心の状態と金銭感覚によって決まってきます。経営者のように感覚として受け取る内容が深くなればなるほど、一般的にはわかりづらくなるかもしれませんが、作品から受け取れる感覚は洗練されていくことになっていきます。心が震えます。見えない時代の流れを感じ取ることは霊的な進化とも言うことができます。

絵から何を感じ取るのかを誰かに、何かに煽動されることなく自分の感覚で感じることができれば、最初に挙げたどんな買い方をしても「失敗」と思うことはないと思います。絵を買う人は、他人の感覚でなく、自分の感覚で心の波長が同期して買っているのですから。

心を大切にできる環境こそが、未来につながる大きな要素となるのは間違いありません。その環境は、一人一人の心の在り様が決めていけることだと思います。

絵を買う意味

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