アクリル絵の具は、わたしの絵の表現で一番多く使う画材です。
この記事では、アクリル絵具の特性や表現方法をご紹介していきます。
アクリル画を始めるための基礎知識と技法
アクリル絵具の特性
アクリル絵具は、発色の良さや速乾性を活かした幅広い表現が可能な画材です。アクリル画を描く際には、その特性を理解し、適切に活用することが大切です。
基本的な特性
- 速乾性:水分が蒸発するとすぐに乾き、短時間で重ね塗りが可能。
- 遅乾材を使うことで、乾燥を遅らせることも可能。
- 耐水性(乾燥後):乾くと耐水性になり、水では溶けなくなる。
- 高い密着力:キャンバス、紙、木材、布、金属、ガラス、プラスチックなど多様な素材に定着しやすい。
- 発色の良さ:顔料が豊富で、鮮やかな色を保ちやすい。
- メーカーによって色味が異なるため、複数のブランドを試すのもおすすめ。
- 耐候性・耐光性:耐久性があり、色あせしにくい(顔料の種類による)。
操作性・表現の幅
- 水で薄められる:透明感や滲みの表現が可能。
- メディウムとの相性が良い:ジェルやモデリングペーストを混ぜて質感やツヤを調整。
- 筆跡の調整が可能:厚塗り・薄塗りどちらにも対応。
- マット仕上げ・グロス仕上げが選べる。
- 重ね塗りがしやすい:短時間でレイヤーを重ねられる。
- 混色しやすい:独自の色を作りやすい。
耐久性・保存性
- 割れにくい:乾燥後も柔軟性があり、ひび割れしにくい。
- 黄変しにくい:経年劣化で黄ばむことがほぼない(厚塗りの場合はひびが入ることも)。
- 弾力性がある:完全乾燥後も柔軟性があり、剥がれにくい。
- 保存が容易:耐水性があるため、保管や輸送がしやすい。
- 臭いが少ない:油絵具のような強い溶剤の匂いがなく、室内でも扱いやすい。
短所・注意点
- 乾燥が速すぎることも:グラデーションが難しくなるため、遅乾材を使用。
- パレット上で乾燥すると再利用不可。
- 筆を放置すると固まる。
- 厚塗りのひび割れ:適切なメディウムで防げる。
- 透明度が低い色もある:グレージングメディウムを使用。
アクリル絵具は、速乾性・耐水性・高発色という特性を活かし、メディウムや技法を駆使することで無限の表現が可能な画材です!
ここの技法に限らず、いろいろ楽しみながら表現してみましょう!
アクリル画の表現技法
アクリル画の表現技法の実際は、別の記事でご紹介します。
基本的な技法
- レイヤリング(重ね塗り):何層も重ねて深みを出す。
- グレーズ(透明色の重ね塗り):透明度を活かして奥行きを作る。
- インパスト(厚塗り):立体感を強調。
- ドライブラシ:ザラザラした質感を出す。
- ウェット・オン・ウェット:にじみ効果を活かす。
- ウェット・オン・ドライ:シャープなエッジを作る。
- ウォッシュ(薄塗り):透明感のある色彩表現。
- グラデーション:滑らかな色の移行。
道具を活かした技法
- スパッタリング:飛沫模様を作る。
- パレットナイフ:厚みのある表現。
- スポンジテクスチャ:自然なムラ感。
- スタンピング:パターンを作る。
- スクラッチング(引っかき):削り出しの線描。
- マスキング:塗り分け技法。
- デカルコマニー:転写模様。
- ドリッピング:偶発的な模様を作る。
- ストリングプル(糸引き):独特の線を描く。
特殊効果
- リフティング:布やティッシュで拭き取る。
- アルコールドロップ:にじみ模様。
- 塩テクスチャ:独特の模様を作る。
- コラージュ・ミクストメディア:異素材との組み合わせ。
- ペイントスキン:乾燥後に剥がして貼る。
アクリル絵具特有の技法
- フルイドアート(アクリルポーリング):流動的な表現。
- セル(セルリアンテクスチャ):泡状の模様。
- エアブラシ:滑らかなグラデーション。
- レジンアート:光沢感のある仕上げ。
- 転写(トランスファー):画像の転写。
- ネオン・ブラックライトペイント:光る作品。
立体表現と変わり種
- モデリングペースト:厚みを出す。
- グルーガンと併用:立体線の表現。
- 彫刻的表現:乾燥後のアクリルを削る。
- 木や布へのペイント:多様な素材に応用。
アクリル画におすすめの道具
基本の画材
- ターナー アクリルガッシュ12本セット
- ターナー 単色40ml(使用頻度の高い色を大容量で)
- ホルベイン ジェッソM(下地材)
- 筆セット(100均で大小の穂先違いを用意も可)
- 筆洗(アルミ製の料理用ボウル推奨)
- 紙パレットまたは陶器製の白い絵皿
- 絵具乾燥用ドライヤー(コンパクトな温風タイプ)
- レジャーシート(汚れ防止用)
- 雑巾
- 絵を描く紙・キャンバス(サイズは好みで)
アクリル画を始めるための準備はこれだけ!
あとは実際に描きながら技術を磨いていきましょう!
アクリル画絵画教室
絵画教室では、好きな画材をお持ちいただいて表現していただいています。
アクリル画の方もいれば、パステル画の方も。墨絵の方もいらっしゃいます。