パステルアートの魅力については、下記に書きましたが、実際にパステル画、パステルアートを始めるにあたって、必要なことを少しずつ、詳しく掲載していこうと思います。
パステルのメーカー選び
パステルは、多くの製造会社がありますが、そんなパステルには、その制作材料の素材の混合内容にいくつかの種類があります。
パステルの種類
パステルは、顔料と言われる色の成分と粘着剤と呼ばれる顔料を結合させる役目のある材料で成形されます。この比率によって、ハードパステル、ソフトパステル、オイルパステルと分けられます。ハードパステル、ソフトパステルは、伸びもよく発色もよいですが、画面への定着があまりありません。
オイルパステルと呼ばれるパステルには、油やロウなどが混合され、画面に定着しやすい画材となっています。歴史的に言うと、ハードパステルの発色の良さを持ち、クレヨンの持つ固さや線の表現に向いていた性質を補う形で開発された、日本発祥の画材と聞きます。さくらクレパスがその最初で、わたしがこどもの頃によく使われていました。画面上での伸びもよく、油絵に近い表現も可能な画材です。
基本的にパステルは、発色が良く、使用も手軽にでき、誰が使っても手早く色彩表現することが可能です。指先で使ったり、コットンを使ったり、ティッシュを使ったり、色塗りが簡単にできる画材です。
わたしがパステルアートを作成するときは、オイルパステルを使うことはありません。どんな画材を使うかは、表現したい作品によって、人によっての相性で決まります。画材は、いろんなものを試してみて、自分に必要な画材を感覚的に揃えていくのが良いと思います。
パステルアート(パステル画)を描く時、パステルの混色しにくい、という特徴から、それなりの色数をそろえる必要があります。多色セット、36色ぐらいを目処で購入することをお薦めします。とは言え、12色でもそれなりの幅広い表現は可能です。
ハードパステル・ソフトパステル
手軽な価格のパステル
ハードパステルを製造しているメーカーはたくさんあります。今では、100均ショップで買うこともできるようになりました。ダイソーは随分前から販売しており、わたしの行う教室でも最初に使っていただいています。もう一つ手軽なパステルとしては、ぺんてるソフトパステルです。高品質で使いやすく、価格も12色で600円ぐらいのお手頃価格です。
ゴンドラパステル
ゴンドラパステルは70年の歴史を誇る、日本で唯一のパステル専門店です。国内外で厳選された材料を使用し厳しい品質管理の下、今も1本1本丁寧に手作りで製造されています。配色は力強い量感が表現できるよう工夫されています。ゴンドラパステルは日本で最初のパステルメーカとして1919年に京都の地で創業されました。
特徴は、伸びもよく、発色も良いです。
色には、日本独自の風土に合った京色があり、色数が豊富です。
ヒーリング系のアートを好んで描かれる方によく使われているみたいです。
単色は、二本セット約250円~
ホルベインソフトパステル
ホルベインは、パステルだけでなく、大阪の様々な画材を扱うメーカーです。
パステルの特徴としては、伸びが良く、発色が良いのが特徴です。
粒子が細かいので、描き味としての柔らかさがあります。
パステルは、顔料がむき出しの画材なので光りの影響を受けやすいのですが、ホルベインパステルは、耐光性に優れた顔料を使用することで、耐光性を保っています。
健康への配慮もあり、皮膚や指から口へ入った時の影響を考え、有害な材料を一切使わず製造されています。
単色は、150円~
ヌーベル カレーパステル
日本の画材ブランド「ヌーベル」のカレーパステルは、コンテの持ち味にパステルの長所を加えた描画材料です。経済的でもあるパステルです。
パステルの固さは、ハードパステルです。
粒子の細かさ・伸びの良さが特徴で重色、混色が可能で幅広い技法での表現が可能です。
基本色はもちろん、蛍光色、パ-ル色までバラエティに富んだ色数があり、幅広いニーズに対応できます。
今回ご紹介するパステルでは、一番固く、紙への定着が一番良くないです。粒子が細かいので薄く伸びやすいですけど、濃くは乗りにくく、パステルの角を使った精緻なパステルアート(パステル画)制作に向いています。カッターなどで削って粉にして使う方も多く、色数が多様なので、わたしは好んで使うのですが、使用には工夫が必要です。濃く乗せるには、フィクサーチフ(定着液)の利用が不可欠になります。
単色は、120円~
レンブラント ソフトパステル
最高級絵具ブランドとしてしられたオランダロイヤルターレンス社のレンブラント。
その厳選された原料による品質は、ソフトパステルにももちろん受け継がれている。
ソフト、しなやかな質感と鮮やかな発色があり、描きやすさがあります。
単色は、280円~
自分のパステルアートに合うメーカー
他にも、パステルアート(パステル画)に使うパステルの海外メーカーは多数ありますが、一度手に取って、相性を確認してみることをお薦めしますが、いくつかのメーカーを使用することで、それぞれの持ち味を生かすことが可能です。
自分の描くパステルアート(パステル画)には、どんなパステルが良いかは、試してみることでわかりますし、表現の幅を広げることも可能です。一度は、大きな画材店に直接足を運んで、パステルを選んでみてください。
ちなみに、わたしは、4社のパステルを使用していて、描くパステル画の内容で使い分けをしています。
使用上の注意
パステルを使うときの注意ですが、直接手で触れるものですから、手指の脂分がなくなってしまいがちですので、ハンドケアは忘れないようにしたいですね。
それと、粉状で室内に舞ってしまう可能性が高いですから、吸い込まないようにマスクも心がけたいですね。粉塵に敏感な方は、マスクが必ず必要となります。
フィクサーチフを使用するときは、換気も忘れず、吸い込まないようにしましょう。できれば、屋外で吹き付けるのが望ましいです。